ハカニ

log [ コラム ] — s_o @ 09. 3月, 2004

 
去年の、夏。

27歳のドイツ人の女の子とその30歳の彼氏と、
3人でお墓を歩いた。

お墓、っていっても日本のそれみたく
日陰にひっそりって感じではなくて
こっちのは全員の墓石がオブジェみたいで
ちょっとしたテーマパークみたい。
不謹慎なことを言ってあれだけど。

こっちは土葬が多く、
亡骸は灰ではなく土の下にある。

上に植えられた眩しい原色の花々は、
人間の最後の仕事みたく咲き乱れて。

女の子が突然、「ちょっと」と言って、
日陰の薮のほうに入っていこうとする。

「なに?どしたの?」

「いや、ちょっと、おしっこ」

ちょっとテレて、女の子はそそくさ行ってしまった。
 
 
目のやりどこに困って、あっちを向く。
 
 
死体の上のアザヤカな花の色、目を刺す。
 
 
落ちたモノを拾って、
パクっと食べて笑う女の子が好きだったけど、
今度からは
墓で立ち(?)ションする女の子にしよう。
 
 
すてきやな、と思った。
 
 
そんなことを素敵やな、て思う了見の狭い自分自身を
素敵やないな、思った。

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