ベる ii

log [ コラム ] — s_o @ 11. 9月, 2004

オーガナイズがウダウダだったライブの穴埋めをする為に、
主催者まわりが急遽ダブルブッキングを決めてくる。

インプロでライブを一日二回やると大概こけるから断ったが、
あれよあれよと話が進み、oplでのライブが終わると
機材がスタッフの手によってズンズン運ばれていった。

移動のときに、鍵盤のアダプタ-とミキサーが別のとこに行ったらしく、
予想通り、ライブはマッタリした。

直前にライブだったセドリックに借りたミキサーでルーティングに手間取り、
あやまって出力されたハウリングに観客がワーってなったので
もういいや思ってそのままフィードバック音でライブをする。

終わったあと、フランス人に『耳いたいわ』と文句を言われた。

なにはともあれ、ひどい出来。

一回目のライブは、とてもよい出来だったので
思い出に浸る。

酔っぱらったDJが、

『おい!おれの前で煙草を巻くな!おれのをやる!おれのんを吸ってくらさい!』

とマルボロをくれる。ビールをダばダばこぼしながら。

とてもシヤワセに寂しそうだった。

もうフィルターの手前まできてるマルボロを、
渡されるがままにくわえながら思った。

この世でもっとも他人にシヤワセを与えられるのは布団職人だ。

そういえばいろんなことがくやしくて、
だんだんまわりにある色がわからなくなっていった。

全てがとりあえずといった体(てい)で、黄色やグレイだった。

搬出で外に出ると、北ヨーロッパの朝はもう冬だった。

ひんやり我にかえって、見上げると青かった。

/ brussels , belgium

ベる i

log [ コラム ] — s_o @ 09. 9月, 2004

『3年一緒に暮らした女が、きのう出て行ったんだ。 、、わかるだろ?』

が理由で、迎えに来るはずのオーガナイザーが来なかった。

連絡待ってるあいだ、やることないのでアトリエの前に持ち出した膨大な機材を眺めていた。
待ちすぎて最後の方は、ひとりじゃんけんをする。
向こうでカズさんが、あらぬ方向を眺めて泥水コーヒーを飲んでいた。

23時間後 3回の予定変更電話のすえ、結局共演するラファエル本人が迎えにくる。

『ほんとうにすまない。会ったことないんだがあいつは少しアレみたいだ』

金持ちで甘やかされてドラッグに溺れている、という
字面にするとなんともまったりした男らしい。
 
 
ところで、日ごろ車に乗ってなさそうなラファエルの運転は
愛想笑いが止まらないほど危うかった。

『こう見えてもオレは、生まれて一度も事故したことないんだ。 心配ない。』

生まれて始めての事故が起こったのは、それから3時間後のことだった。

アウトバーンで路肩のレールに乗り上げて、車が飛んだ。

ほんとうに飛んだ。

「ラファエルの前の彼女が今、つきあってる男の車」であることが
さらなる衝撃と波紋をよぶ。

気まずいやないか。

その衝撃のわりには被害はなかった(人にも車にも。なんで?)けど、
喜ぶ術もなくラファはへこむ。

生粋のブリュッセル人でも迷うブリュッセル市内で
型どおりさんざ迷った挙げ句、到着。

最後は夜食のピザを買いに来ていたおっさんに、
自転車で車を先導してもらう。メルシーおやじ。

真夜中なので、機材搬入+セッティングは明日に。

今回泊まらせてもらうベノアの所は、
個展やDJイベントもやるという意味不明な広さを誇る。

400平米 + 広大なバルコニー。
端から端まで走ったら、ちゃんと疲れる。
寝返りうちほうだいや。
ひゃっほぅ。

/ brussels , belgium
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