som R fail

log [ コラム ] — s_o @ 27. 3月, 2005

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またやられた。

何回やられたら気ぃすむ。

目を覚ますと、身につけているもの全てが既に”一時間前”だった。

夏時間(+1)。

気がつくともう街中の時計は何くわぬ顔をして、
新しい年月の定義を世界に示唆している。めっさ無言。
置いてけぼりにされた昨日までの”今”はまるでなかったことに。

腕時計を一時間カチっとすすめる時、それと気づかぬふりをして
世界の一番触れてはならない部分にアクセスしてしまったような居心地の悪さ。

たぶんどっかのおっさんが何の謂れもなしに空を飛んでも、

「ああ、そういえばそういうことなんだよな」

とかなんか納得してしまいそうで怖い。

当たり前って、原体験を含むとんでもなく軽薄な理解を礎にしてて、
あるべき名前もあったべき姿もあったもんじゃない。

もしかしたら明日には空を飛べるのかも知れない。

世界の上っ面をはねて、
今日も見ず知らずの小さいおっさんが世界を紡ぐ。

saturated sun

log [ コラム ] — s_o @ 26. 3月, 2005

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イースターの中休み、土曜日。

突如すみよい晴れ空。

徹底した冬の闇ハ唐突に終わって、
街には冬眠あけの人々があふれる。

オープンカフェがそこら中せりだして、
通りがやたら歩きにくい季節の到来。

この街、こんなにヒトいたっけ。
きみら今までどこおったんや。

天気がよすぎて自転車で洗濯へ。

「なにもしない時間」に無条件に名前を与えてくれる楽園。

コインランドリー最高。住みたい。

洗濯が終わって、季節の変わりめ恒例『勝手に迷子』をやる。
知ってる街、いつもの街で無理矢理迷子になるのだ。

 先人の名言、
 『いまくだらないことをしないで、いつするんだ』(でもいっつも)

ミギ、ミギ、ヒダリ、ミギ、、、あ、でもやっぱりヒダリ。
とか繰り返すと、結構あっけなく泣きそうなくらい迷子になれる。

古いピアノが置いてあるカフェや、
外観だけはヤケにうまそうなイタリア料理屋、
自分がどこにいるのかわからないので、
また来よう思うと恐ろしく労力だけど。

『お、サトシじゃねーか。』

!!

振り向いた先に、見覚えのない男。
あかん、外人の顔ほんまにわからん。
探るのも面倒なので、当てずっぽうを決め込む。

「やあ、フランツ。」

『ボルツだ。ところでおまえ、こんなとこで何しとん?』
 
 
、、難しい。
こう、投げては返すライトなキャッチボールのような会話にするには、
今日の行動はあまりに動機に乏しく、でたらめすぎる。

へたに ”i just want to be a man who lost their way.” なんて感じで応対したら、
行間読まれて”なにこいつ?悩み事?”みたいな感じになりそうでややこしいので、
太陽にかまけていい加減なウソをつく。

「うん、トモダチに用事。」

別れ際、思いっきり方向わかってない感じも気まずいので
男の行く方向とかぶらないように慎重に方角を決めると、
より未来の見えない迷子になった。

古い教会の前でサンドイッチ買って、
公園でテンション高いのか低いのかよくわからない子供達の狂宴を眺めながら
まあ別に帰れなくてもいいや、な気分になってくる。

恣意的な迷子はいつでも必ず最後にそういう気持ちになって、
そういう気持ちになった途端、待ってたかのように帰り道がひらける。

“帰れる”ことにすこし寂しくなるのは、きっと甘えだ。

やたらでかい公園がたくさんある国っていいなと思う。
公園には小さな川が流れていたり、でかい池があったりする。
ドイツ、この国をいいな思うのは晴れの日だけなような気もする。
どうなんやろう。
いっか。晴れてるし。

compressor

log [ コラム ] — s_o @ 22. 3月, 2005

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気持ちが、腹の調子悪いときの便ばりに飛び散るので
いろんなことがちらばる。

机の上にはラップトップと音楽機材とパレットとスケッチブックと巻き尺、
ドリルにマイナスドライバーにコーヒーカップ
ジッポのオイルに拾った石にカメラに語学の教科書
地図にCDプレイヤーにリモコン、独和・和独・英和・和英辞書と資料、電卓。

民俗学者のじいちゃんの机は、いっつも古くて汚い本と原稿用紙が山積みになってた。
誰かが片付けるたび、毎度じいちゃんは激怒してた。
いま机の上を片付けられると、確かに困る。

しかしいずれにせよ、なんかしようとすると必ず「探す」から始めなあかん。
なにを困る。

2001年に東京で録ったものにドイツで3年かけて手を入れた音が、
スケッチブックの下からヘシャげかけで出てきた。
ちらかった気持ちは、
それが本来あるべき形を直視することへの尻込みなのかもしれない。

なにかの拍子に自分が自分自身なんかではありえないことを確認してしまう未来への反動。

ラップトップに差し込んで、へしゃげかけた音を再生。
自分の音聴いて、初めて泣いた。

二の足踏んでる場合やない。
5年後リリースしよう。(踏んでる。)

haRu – HAsE

log [ コラム ] — s_o @ 19. 3月, 2005

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一昨日までマイナス14℃とかだったのに、
いきなり春みたくなりました。

風呂にドブンとつかった時の『くふぅ』ゆう感じな空やニヲイ。
今日いちにちで、18回くらい『くふぅ』思った。

今日は昼からアトリエに一日いたので、珍しくたくさん来客。

仕切り直しては作業を繰り返したので、金曜日の終電。
フライデーナイト荒れ狂う酔いどれサッカーファンたちの嬌声。
あったかくなったし、酒臭いので途中下車して散歩。

夜中の公園で、池の白鳥をぼんやり。
暗闇の白鳥、なんか目ー痛い。

車道沿いの芝生、ギュンギュントラックが行き交うのに
ウサギが遠い目をして草を食んでた。

その冷静さや「住めば都」な心意気に感心して、
しばらく見ていると、ライターを落とす。

ウサギ、超反応した。

ちゃうやろ。そこと。

stadt,stadt

log [ コラム ] — s_o @ 05. 3月, 2005

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『三年前にも、同じ事があったんだ』
まっ暗な部屋。
バッテリーで動いてるラップトップの白いバックライトだけが、
そこにいるハゲをハゲと知覚させる。

『煙草、いる?』 とハゲ。
「いや、ある」
『暗闇で巻くの難しいだろ?遠慮するなよ。』
「いいて。 あ火貸して」

雪降り止んで、冷たい夜明け前。
通りの街灯のオレンジ色が、ペラペラに積もった雪に反射して
遮るもののない窓からイイワケ。

:::

バゴンっっっっっ

音がして、部屋が真っ暗になった。
落とし穴みたいな静寂。

ラップトップだけが、洞穴の横井さんよろしく状況の変化に適応できてない。
ハードディスクがカリカリ、ゆうて小さな音だして
「さあはよ始めろや。」みたいな静謐で残酷な佇まい。

舌打ちして立ち上がる。
足下の暗闇にいた何かを踏んで、不意な痛みに飛び上がる。

玄関のドア越しに、聴こえる独り言。
隣のおっさんが配電盤をあけて、なにやらテンパっている気配。
やっぱりおっさんが、またなんかやらかしたか。
再び舌打ち。乾いた空気の暗い部屋。めっさ響く。

懐中電灯がなくて、
ちょうどライターのオイルもきれたとこで
仕方なくラップトップからコードを引っこ抜いて 玄関の扉のとこまで歩いていく。
鉄人28号の正太郎君を思い出す。

ドアを開けると、白いバックライトに照らされて
配電盤の蓋をあけたおっさんと自転車が現れる。

「、、、なんかいじった?ブレーカー落ちてんだけど。うち。」
『いや。』
ため息まじりでおっさんは言った。

『三年前にも、同じ事があったんだ。あの時もちょうど今くらいの時期だったよ』

おっさんの苦し紛れの言い訳に耳を貸さずに
真っ暗な廊下の電気のスイッチを押す。
無反応。
カシャ、カシャいう音が、暗い廊下に響く。

「なにこれ?停電?ほんまに」
『ああ、近頃冷え込んだからな。どっかでケーブルがいっちまったんだろう。
今ソトから帰ってきたんだが、この通りの建物は全滅だ。』

ため息をついて、部屋に戻る。
光源がラップトップだけなので、なぜかおっさんも部屋についてくる。
どうでもいいけど靴ぬいでよおっさん。

暗闇の中で、煙草を吸いながらおっさんとまったり話をする。
見ない間におっさん、スキンヘッドになってていかつい。
人なつこい笑顔がなかったら、悲鳴をあげるくらいいかつい。

窓ごしに、通りを行き過ぎるミドリ色のトラック。

『ああ、シュタットヴェルケだよあれ。もう復旧する』
「早いねえ。ドイツなのに。」
『ああ。早いな。3年前も10分くらいで復旧した。』

おれも電気工事をやってるんだ、おっさんは言った。
今のはアピールだろうかと一瞬考えて、いや言ってみただけなんやろなと思い直す。

パチン。

暗闇に潜んでた日常が、したたかに”10分前”を再開する。
散らかった部屋。
明確になるおっさんのいかつい頭。

『よし戻った』
「ごめん、きたない部屋で」

なんで今あやまったんやろう、後悔しながら
おっさん靴ぬげよ、また思った。

『音楽機材はどうした?前は山ほどあったろ?』
「ん、去年アトリエ借りたから、そっちに全部移したよ。」
『そうか。どうりで最近静かだと思ったよ』

天井のライトがチリチリと温度差に戸惑っているのに気づかず
おっさんは自分の部屋に帰っていった。

電気を消して、ぼーっとする。
あの唐突な穴ぼこのような暗闇も静けさも、もう戻らない。

煙草がきれる。
やっぱおっさんに煙草もらっときゃよかった。

暗闇はやけに親密で、
度をこした謂れのない街灯のオレンジ色がまるで
海底におとしたイカリみたいやった。

微妙に動いてるような気がする。このイカリ。

MA:RZ

log [ コラム ] — s_o @ 04. 3月, 2005

ここのところ零下の日が続いて、
朝 目を覚ますといっつもまっ白けだ。

午前中だけは晴れるので、
ハイツングつけて窓開けて
厚着で通りを行き交うヒトビトを眺める。

コーヒーがあっさり冷める。

突然、車の流れが途切れて、
なにかの間違いみたいな静けさ。

空気に流れるもの伝わるものが、温度だけになる。
ふわっとこみあげる冷たさ、まるでモノみたいだ。

役割分担。

共通言語でなければ、
存在する価値がない。

お前は狩りをする、
あなたは稲を刈る、
君はけがや病気を治す、
だからワたシ、絵を描くわ

絵が命に拘ってないかぎり きっと
お前とあなたと君のいる世界に”いる” アレがない。
『だから』が成立しない。

なんかアカいな。
まあいいや。

寒すぎて
椅子の上で三角座りしながら思う。

寒さは、見えへんのにそこにおる。

In the morning , i see the world in the white.
thursday in Germany.

i was looking vacantly out of the window.

traffic got some intermission.
they lost their noise.

silent.

i can’t feel anything except temperature.
then suddenly, winter air got some shape.

world assigned us roles.
one go hunting.
one reap wheat.
one give a treatment for other.
one make noises.

if music got no role like others (which got a matter of life and death ),
there is no reason to be there.

today is too cold.
i sit down here aimlessly,
and think without any definite object.

the cold got their own place.
they are still there, certainly.

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(c) 2019 sub-tle.