log [ コラム ] — s_o @ 30. 6月, 2005

6月16日
050616
クラウスらと、故・コニープランクのスタジオへ。
水がおいしい。
アフリカン・バンバータのDVD作業中のエンジニアが居合わせて機材話。
コニーの奥さんは、クラウスの話どおりの人。
濃い。
『水が飲める』湖へ散歩。
こんなにミズウミミズウミしたミズウミ、初めて見た。
帰り、久しぶりに皆でKeiserswerth の Im Ritter へ。
そういえば初めてクラウスと食事したのも、ここだった。

6月17日
050617
バス停でバスを待ってると
ちっさくて、クネクネした女の子が
パッとしない化粧の濃い女に
『あら きれいね、あなた。すてきよ。』
と言って、またクネクネしていた。
ちっさい女の子はそのまま
連れているちっさい男の子と一緒に
走って向こうへ行ってしまった。
またクネクネしながら、向こうで誰かにコメントしてた。
化粧の濃い女は、ずっと少女を見つめていた。
この世で最も尊いものを見るみたく
眩しそうに細めた目は、いつまでもクネクネ少女のもとに

6月22日
050622
クラウスらと、オランダ・zeelandのスタジオでセッション。
ミッドサマー。

6月24日
050624
ベルギー・CIMAY。
どっかから入ってきたフランス語のコドモが、なついて話しかけてくる。
共通の言葉を持たないという事について。
郷に入って郷に従えていないことに
申し訳ないな、とあまり思えなくなった。
この世の『ズレ』はもう、言葉の問題なんて凌駕してる。
それどころじゃない、
そんなとこやない。
でも。
少年『ボプウ゛ィジャウ゛?』
自 「ごめんな。フランス語わかれへんねん。」
少年『セウ゛ァー!セサーウ゛ィフォゥ!』
自 「ゆっくーり言われても、わかれへんねん。」
少年 『セジャウ゛ー!!セウ゛ァサフー!!!』
(ここで少年、前歯のない口をあけて満面の笑み)
、、、ごめんなさい。
人として。
6月25日
050625
ベルギー・CIMAY2日目。
初日でベルギービール(CIMAYはベルギービール名作”CIMAY”の産地です)を飲み過ぎて
あからさまに調子悪そうにしていると、地元のスタッフに
『きのうCIMAY飲んだな自分。』 言われる。
周知の危険を知らぬはストレンジャー。
眩しすぎる太陽と合わさり虫の息。

サブタイトル

log [ コラム ] — s_o @ 11. 6月, 2005

050611
ツレダツ100秒
便所でるとき、手を洗っていると
『あ、そうか手を洗うんだ。それはいいことだね。』と言われ
ずっとなにかを間違っていたのだ、思った。
太陽まぶしい。

ウタのこと120秒
耳心地のよい妄想とともに自動筆記を試みてもしむらけんとかやっぱり出てきてがっかりいかりややりや
文法も意味も散らばってステファヌ=マラルメに転向のふりしてそうかでもかつて男がしたみたく
小さな姪に仔馬とヨットを贈るため、一夏過酷に働くとかはしてみたいいやおまえすでに
二重カギカッコにかこつけて不安を掻き消そうとしたりしてすごい天気がいい。

鰤(500)
ともだちの母ちゃんと二人きりになったとき、
『ねえ、おばちゃんブリットニー=スピアーズよ。』
言われたとして。
ニンゲンが対ニンゲンに言葉放つとき
そこには曲げる事のできないハードルやルールがあって、
取るに足りないけど素晴らしくソレ以外なんにもない経験則や世界観、
細かく設定されたポリシーと立ち位置、
あらゆる細目にわたり確立された見識、
関係に依存する100万とおりの自意識、
そういうものを織り交ぜ、ときに中途半端にないがしろにし、
ひっかかったり、かからなかったりする答えを生ませる。
「夏が勝負ですよ。」
全ての事象が、ひとつの個に全く興味がないのと同じ理由で
なにかどうでもいいものを愛したり、負け惜しみにも似た”正解”を受け入れたりと
しょうむない真実を無下にリジェクトしきる動機を持たない。
それはまこと、どうでもいいからです。
希望っていうものがもし、そんなとこにあるのだとしたら。
思い描いたことが思い描いたどおりにならないなんてありえなくて
『夢をあきらめる』程度、あきらめられる程度の夢なんて夢でないのと同じように。
最初から手の届く範囲で、は言葉を学んだ現代の妄想です。
晴れた日には全部が並列で、
ともすればうかれがちな陽だまりの内、
あなたに言いたいことと自我の区別ができなくなってしまった。

カン想ブン(70)
プルーストの質問表とそれに対するマラルメの回答を読んで
ゲラゲラ笑う。センスいい人たちの屁。

unter dem Inhalt

log [ コラム ] — s_o @ 04. 6月, 2005

050604
昨晩、レコーディングで弾いた渾身のベースラインのせいで
指紋がなくなった左手の中指と薬指がヒリヒリする。
刺繍用の指サックしとるみたい。
集中せんと全てがうまくいかないので
REC終わると、末端神経まで乳酸まみれになったカラダと、どっか的外れなトコに行ったままのココロが
うまくキャッチボールしない。本来あるべきとこで機能しない。
ニンゲンとしてどこかに重大な問題があるような気がする。
電話でピザとサラダを頼むと、間違えてサラダを2つオーダーしてた。
ドレッシングを2回聞かれたとき、なんにも疑問を感じなかった。
失恋したベジタリアンのように涙まじりで山盛りサラダを2つ食う。
鬼のようにスムーズなお通じが期待できそうです。
0点か100点でありたい。
平均や凡庸を非難するあれではなく。
愛想つかされ、それでも口ひらく個でありたいと願う。
おっまえ卑怯やなー、とか、裏切ったな貴様! とか、
そうやって名前をつけられる在り方に
気持ちの籠っていない、ホントの優しさみたいなのを感じる。
だからそこが問題やっちゅうねん。
リスク管理がうまくできない。
もう切れてしまっている綱を、今更ヒヤヒヤ慎重に渡ってるような気もする。
ただなんとなく、『うまいことやったろ』と思えない。
鼻毛とかアンダーヘアーで綱を編んで蔑まれるのも、やぶさかでない。

王様とホームレスが夢見るのは、あらゆる意味で同じ景色だと思う。

今日行ったレンガ造りの煙草屋のおばちゃんは、
隣のおばあちゃんが持ってきた上着の肩パットの部分を直してあげられなかった。
ところで、ここは煙草屋なのだった。
もっそ待たされた。
切り取られた肩パットの白は、揶揄ではなく永遠だった。
最後おばあちゃんは、待たせたこちらに挨拶もなく、かといってさして落胆もせず帰って行った。
煙草屋のおばちゃんは言った。
『でもね。』

待たされたせいで、バスはもう行ってもた。

『上着は、本当は自分でなおせなきゃいけないのよ。』

一日の中に、まるで四季があるかのような不安定な空。
初夏の匂いは、まるで樟脳にまみれたのに結局虫に食われて穴あいてもた上着みたいに
寂寞とした滑稽さを孕んで、おまえはなんや生きとんねやっドあほがっ!ゆうて勝手に告げる。
告げられて、ごまかし笑いで困惑。

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