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log [ コラム ] — s_o @ 20. 9月, 2005

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ある日 小鳥が音痴だった。
“黒人みんなラップとダンスが上手い”
コトバが沁み込んだ脳みそはいちいち慌てる。
あまりにも音はずすので、maraにもらったトリ笛でリズムをとってやってみる。
そしたら突然ダニーハザウェイばりのウッとりラインで絡んできた。
ぅぉ
特徴なんて、自分のいる世界ではちっとも役に立たない。
音痴な鳥がモテるために鳴くオス鳥なんていない。
だからきっとこの音痴な小鳥はモテない。
あいかわらず調子良くからんでくる調子っぱずれた鳥の非凡なさえずりに聞き惚れながら
『見渡す』ことについて考えた。
この鬱陶しいくらい狭い視界のソトで生きてく、意味も謂れもない。
置きっぱで笑うことに咎がないように。

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朝の日差しのなか、平野で渡り鳥がタムロした。
首の長い集団だったので、逆光によるシルエットは耳ながいうさぎの群れが如く。
ほんまに寂し死をする動物は群れるんや。(だからうさぎちゃうて。)
ここのとこ急に寒くなったから、渡る段取りとか練ってるんだろうか。
頭数いるからスケジュール調整とかめんどそうだ。
『アサッテくらい子供産まれんだよね』
『なぁあのルートやめねえ?いっつも撃たれてんじゃん。で超死んでんの。ぜってぇ馬鹿だと思われてるようちら。』
『 鎖骨いたい 来週がいい 』
『ヒナどっか落としてん。知らん?』
『おれ今年、先頭ヤだ。』
『おれもシンガリやだ。みんなはえーよ。おまえあれだよ。信号とか無視すんなよ。』

リーダーやりたくない。

静かに地平線をつつく渡り鳥たちを眺めて
『ここやないどっか』なんてないことを知る彼らに嫉妬。

ジェリー

log [ コラム ] — s_o @ 08. 9月, 2005

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横切るシロネコ
口んとこ・しっぽの先んとこだけが黒かった。
なんだかそれはやけにグロテスクな気がして、ぼんやり眺めた。
ネコを含む光景にまとわりつく、イビツで違和感の溢れた匂いを
さしてそれとも感じさせなかったのは
シロネコの注意深く、でも落ち着いた所作。
緑のなか、目の前を大きく斜めに歩いていく様はとても寛容で、
世界に全く関与していない風な ネコのありふれた佇まいが妙に居心地悪かったので
「なあ。」と話しかけてみた。
ネコは興味なさそうにこちらに一瞥くれたあと、
カトちゃんみたいに二度見した。
気づいてなかったのかよ。
ネコの口許の黒が、緑の上におちる。
なんかくわえていたから黒かったのだった。
それは別に、驚いたから落としたわけでも、
見つかって何かを諦めたから落としたわけでもなさそうだった。
ネコはじっとこっちを見た。
暫くこちらを窺ったあと、色なく視線を戻す。
なにかを思い出したわけでもないのに、午後の作意のない景色が
ネコが歩き始めることのそれらしい理由になった。

だからネコはそのグロテスクさだけ 鷹揚な太陽の下に残していった。

ネコの口とシッポについていたのは、強くてだらしのない血だった。
ぽとりと落としたそこには、頸のないネズミの屍体が杜撰に横たわる。

誰もいないエレベーターにすかされた屁みたいに空々しい殺意とシカバネ。

散漫でありふれた重要な存在の数々に対し
払うべきは敬意や諦観じみた結論やない。

煙草を捨ててもう一回、深く空気を吸い込む。
据えた匂いのする緑の風は ゆっくりとカラダの礎になって構成。
生き返らない全てによって無駄に救われる。

「ネズミを獲るネコ」がまだおとぎ話だった頃、
世界は狂気じみた悲しみと失意で溢れかえってた気がする。

黒い固まりをよく見ると、それはファニーでキュートな焦げ茶色で
そういったコトでやっとこさ始まった。

G みたいな E

log [ コラム ] — s_o @ 06. 9月, 2005

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贈り物しました。
日本にいる小説家の友人から連絡があって、
3日もせずに荷物が届いた。
終日家にいないので、夜中に電話して再配送の手配。
明日の17時から22時に配送するぜ。とのこと。
夜中なのにニンゲンが電話の前にいるなんて。
ドイツ人、やればできるがな。
時間帯漠然としすぎやけど。なんだその5時間。
仕事をアレンジし、スタジオ作業も鬼のように中途半端に終わらせて
16時40分に帰宅。
ポストに紙。
『届けたけどよ。おめえいねえよ。 DHLドライバーより 14時半。』
いねえよ14時半。
だから。

再配送センターに電話で怒鳴る。
ドイツ語しか話せない担当者だったので電話を廻され、
ファンシーなメロディーとテンション低い宣伝アナウンスの保留音で熱い頭がグダグダに冷却される。
もう一回はじめからテンション上げ直して怒鳴る。
力の入り具合、もっそ不自然。
『すまん。運転手のエラーだ。』
「エラーて!そっちのミスかい!じゃもっかい再配送してくれよ!今すぐ!絶対今日中!」
『いや無理。もうドライバーうち帰ってるよ。』

ぅわ、、、絶対天気いいからだ、、、。
頭ん中に早く仕事終わって嬉しさ心頭、太陽の下ジョッキで乾杯するハゲマッチョが浮かんで、再び燃え上がる。
「んだとくっそぅ。んじゃ今から取りいくわっ。住所どこやい!」
住所聞いて、取りにいく手続きをしたあと、地図見たらもっそ遠い。
もっかい電話。
「無理!やっぱ明日持ってこいこのやろう!ふざけんな!」

だんだんどっちが悪いのかわからなくなってきた。
晴れた日に、あちこちで起きるエラー。
全然暑くなかったくせに、ここにきて唐突に自分は夏でした。て告げる
言い訳みたいな夏の余韻。

(c) 2019 sub-tle.