2016

- Media,log [ コラム ] — s_o @ 01. 1月, 2016

 
Deeply appreciate what i know and what i didn’t know.

Wish your wonderful 2016, wonderful life and wonderful future.

i wish your wonderful world.

今まで知り合った全ての方々に、そしてまだ知らない全てのものに、心からありがとう。

どうか素晴らしい2016年を、素晴らしいこれからを。

film & artwork: Acci Baba
sound design: sub-tle.
music: Louis Armstrong – ‘what a wonderful world’
lyrics: G.P.Weiss & G.Douglas

Daueraufenthalt

log [ コラム ] — s_o @ 19. 2月, 2015

150219
 
外人局で、大げんか。
  
14年目にして2年越しで揃えた書類が、
新しくなった部署に全く引き継がれていなかった。
 
 
『で、なに?』
 
 
新担当者 (ハルクホーガン似) は吐き捨てる。
 
 
『なにをそんなにキレてんだ、
もう出したんなら、もっかい出せるだろ。』
 
ぽーんと投げ返される、最終ドキュメント。
 
 
、、いや、もう何回やったんだよそのやりとり、、。
いいよ、どうせまたそんなん言う思て、
今日10年分の書類持って来たよ。
みろよこの山。
 
息巻くもやしっ子に、ため息まじりの捨て台詞。
 
 
 
『だめだな。おまえ、なんで永住権とれないかとか考えたことあんのか?』
 
 
 
、、、。
 
 
みんなが持ってるゲルマンごころにポッと灯る、なまぬるい炎。
耳の奥で小さなおじさんが、はい!いま!ここよ!と元気に旗を振る。
 
 
 
ダンッ
 
 
「おまえらがくれへんからじゃーーーーっっっ!!!!!!」
 
 
 
ダンッてやったときに、膝をしこたまテーブルに打ちつける。
 
崩れ落ちる10年分の書類。
 
ぐぐぐ、、。
 
いたい、、、。
 
うずくまりながら書類を拾う。
 
2年前に出した書類が目に付く。
 
 
「これ、見てくれよ。全部じゃないのかよこれでも。これとかこれとかよ。ちゃんと見てんのかよ。」
 
『あぁ、、、』
 
なんか突然しおらしくなるハルクホーガン。
 
『じゃあおまえxxxxの5年分の証明は、、』
 
「でた!でたよ!ここに10年分あるってだから!ほら!これも!」
 
『税金と所得の、、、』
 
「だからこれ!はい!!10年分!!」
 
『あ、税金はもういいんだった。』
 
「なんだよ!」
 
 
カタカタ、と突然静かになった部屋に響く、かわいたタイプ音。
 
 
ハルクが顔を上げる。
うまれてこのかたやったことなかったけど、
今唐突に思いついてやってみたらできちゃった、くらいの微妙な笑顔。
 
 
 
『ようこそ、ドイツへ。』
 
 
 
、、うるせーよ、、。
 
 
永住権、14年目で遂にゲット。
 
みみずもかえるもありがとう(白目)

not a study so_n(d)s

log [ コラム ] — s_o @ 23. 12月, 2012

スタジオの帰り道
煙草を買いに雪の中キオスクに行くと、
色とりどりのグミキャンディの前、たむろするガキの群れ。

『おぃ、若いの。』

不意に声をかけられ、
面倒くさすぎて屁みたいになった声で
「ん?」と応じると

『もうすぐ、ほら、知ってるだろ。これ買ってくれよ。』

、、なんで通りすがりの知らねえガキに、
なにやら微笑ましいことしなきゃならないんだ。
しかもおまえ、チビのくせに俺を ” 若いの ” とか呼ぶんじゃねぇ。

「ちっ、どれ欲しいんだよ。めんどくせぇな。」

『おまえはどれがいいと思う?』

「なんでおれが選ぶんだよ。この黒いのでいいか?」

『、、センスねぇな、じゃあ僕この緑ね、おばちゃん。お金はこの人が払うから。』

「おまえ、まじか。」

カウンター越しに、おばちゃんはアカラサマにこちらの目を見て手を出した。

不意打ちにあったサンタ役への敬意というより、
うんこ踏んだことに気づいてない男を無言でスルーする感じで。

『サンタはさ、おれの母ちゃんなんだってよ。おまえ知ってた?』

「おまえバカだな、ジョークだよ、ジョーク。おるねんぞ、サンタ。」

『え!あなたサンタ?』

「やっぱおまえバカだな。」

キオスクを出ると、唐突に雪がやんでいた。

世界が終わると言われていたその日、
アルバムが完成した。

flocks and herds

log [ コラム ] — s_o @ 08. 2月, 2008

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* pics are not concerned with text. /

one day, 2 sheep lose their way.
a flock of sheep are already far from the riverbank where they are.
shepherd fix his gaze on the thread of smoke which rose high in this cold cloudy sky.
his cigarette is close to finish, but he doesn’t realize where his 2 sheep are.
one of the lost sheep see somewhere, and suddenly notice that she and her child are the only existence in this world.
and back to her way again (late breakfast).

there is no sound.

sheepdogs are running around the flock.

a cigarette of the shepherd will be finished soon.

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log [ コラム ] — s_o @ 15. 1月, 2008

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祖父が死んだ。

一瞬、ふわっとゆがんだ気がしたけれど
涙はでなかった。

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最近、咳がとまらない。
近頃ドイツで流行ってるウイルスにやられたっぽい。

夕方、歯医者。
年末から何度も通って、
ようやく1本処置が終わる。
その神経は全て除去され
奥歯は今日、死ぬ。
ニンゲンの器官のなかで、唯一死骸のままカラダに残る事を許されてる歯。
舌で押してみると、まだなんもかもがそのままで
でも失われたテイでそこにあるんではなく
失われてしまったのだった。

失われてしまった歯と祖父が、
いつまでもカラダにぬるく刺さって
にぶく ぬくい。

日本に電話。
へんなカタチをした柔らかい棘が一粒、
受話器の小さい穴越しに、耳から脳味噌へ。
不意にアタマの上を覆う。
びりびり何かがほどけて
ちりちり眼前が歪む。

おじいちゃん、

声をあげて泣く。

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GATE_9

log [ コラム ] — s_o @ 05. 9月, 2007

entitle
 
しつこく呼び鈴を鳴らされたので、また隣のおっさんが金を借りにきたのかと思って無視していると
今度は鬼気迫るコブシの激しいノック。
以前、蹴り開けた経緯のあるドア。
(インキーしてもて、隣のおっさんと二人で次藤君抜きの「スカイラブ・ハリケーン」した)
ので、そんなにハードなノックはやめてほしい。
家の設備にまつわること、大家の壮絶な嫌がりっぷりを思い出す。
無視し続けてドア壊されて、あの生え抜きのドイツセレブに対峙すんの ごめんだ。

のっけから『金は貸さん』を前面に打ち出した表情と態度で、ふてぶてしくドアを開く。

と そこには警察。
なにやらボーイスカウトみたいな格好をした何がしかのスペシャリスト(イメージ)も横に立っていた。

不意な警察の登場に動揺して、いらん疑いをかけられぬよう

『ドアそんなに激しくノックしたら壊れるじゃないですか。何か用ですか?』

とクールに聴こうとすると、クールにしようとしすぎて

『は?』

完全に友達から煙草1本くれと頼まれたときのテンションで第一声を発する。

まずい。

“ビザまだきれてへんよな、音だって今日はまだ爆音鳴らしてないし、あー昨日遅くに風呂はいったのがまずかったんかな、それか魚焼いた匂いか? や、魚焼いてねーよ、つーかそのスペシャリスト(イメージ)なんだよ、あ!もしかして外人だから派手にテロ的な容疑かけられてんのかなそういえばそうかあれかあれってなんだよ全然テロれてねえよむしろ将来の展望のほうが爆発物だよ”

若干の脳内チキチキ私の清廉潔白会議を開催していると
警察は一枚の紙を突き出した。

『○○という男を知らないか?』

事務的な態度で警察は口を開く。

「知りませんけど。」
『ん。じゃあいい。』

、、、。

はやい。

なんか外人だから聴くのすらめんどくさくなったか。
かまってほしくないけど、かまってもらえないとそれはそれで。

「なんかあったんですか? その男は誰ですか? そして、なぜ僕のところに?
しかもなにそのヒステリックなノック。つか、できれば英語で説明してください。」

『いや、なんでもない。(ドイツ語)』

「なんでもないって。 僕んとこ来たのは、この建物でなんかあったからですか?」

『んーまあそうだけど、この男のことを知らなければいい。』

第一声”知らん”て言うことがそれほど信頼されるなら、警察なんていらんじゃないか。
なんか疑われてるんなら、晴らしときたい。
そんなにキレイな体やないけど、もっとあたいを見て。

幸か不幸か、一瞬で疑い的なものはなくなったっぽい。
というかそもそもハナから疑いでさえないっぽい。
むしろ英語で説明しろ、と言われたこと含め、非常にめんどくさがられているっぽい。
なんか腹立ってきた。

コロンボみたく『あーそうそう、それでね奥さん。』と帰り際にボロを出させる気じゃあるまいか、
と少し期待したものの、あっさり隣の部屋をガンガンノックし始めた。

あー、でてきちゃダメだ、おっさん。

でてこないけど。どうせ。金借りる時以外。

向こう側からだけやない。
胸躍る緊張感や驚きも、外国であるがゆえに一瞬で完了する理解。
ただ、かつてこうして完了する理解は、その終止たる形なす前に孤独に抹消されていた時代があったのだ。

いやいや。
あった、んやない。

纏う匂いこそ違えど
それはこうして今、ここにも。
いつまでも。

そしてそれは決して、ここだから、でもないのだ。

ドアを閉めた後も、隣のベルを鳴らし続ける音が壁越しに聴こえてくる。

やっぱおっさん、出ねえな。
面倒回避のベテラン。(むしろおっさん自身が面倒。)

カトルフィッシュと世界の終わり

log [ コラム ] — s_o @ 19. 5月, 2007

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11th – 13th May 2007
オランダ・ゼーラント スタジオにて

月末のレコーディング準備の合間、
オノウチ君が唐突に世界の終わりの話を始める。


『テレビで見たんだけど、サトシ君、世界の終わりて何が生き残るか知ってる?』

「知ってる人なんて世界の終わりまでおらんでしょう。」

『いやまあそうなんだけどさ。”イカ”らしいよ。最終的に。』

「、、イカ? あのイカリングの?」

『うん、そうそう。 ドシーン、ドシーン、てね。』

「ドシーンドシーンて。 何の音よ。」

『足だよ、足。イカの10本足。』

「えー、、説明も無しに巨大化されても、、、 」

『マンモスみたいになるんだってよ。』

「マンモスみたいに。」

『ちっちゃいのもいるんだけどね。』

「あ、普通のもいるんだ。」

『やられちゃうけどね。でっかいのに。戦うけどやられちゃう。』

「戦うってどうやって? イカスミ?」

『いや、石。』

「石?」

『10本足で石を絡めて、空から石を落とすんだよ。』

「また説明もなしに飛んだ! イカだけでなく話そのものが!」

『フワーーっとね。』

「フワーーっとじゃないよ。イッタンモメンかよ。」

『まあちょっと前まで蜘蛛(クモ)が頑張ってたんだけどね。』

「世界の終わりのちょっと前、、、全体的にフワフワしてるな。物事の流れが。」

『でもクモが滅ぶまでイカは海で隠れてるんだよね。虎視眈々とその座を狙ってる。』

「いや、マンモスサイズで空飛べればもう勝てると思うよ。しかも、既に”隠れる”という考え方に失礼なくらいの存在感だよそのイカ。」

『んー。おそるべしだよね。イカ。』

 

地平線は遠く、突然強い風が吹いた。
ベンチを運び、リンゴの樹の下へ。

葉々を騒がす風ん中、
世界の終わりに空を飛ぶ巨大なイカのことを考える。

むやみにカサバるイカの姿とは裏腹に、
なぜだかそこはとても静かだった。

(c) 2019 sub-tle.