flocks and herds

log [ コラム ] — s_o @ 08. February, 2008

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* pics are not concerned with text. /

one day, 2 sheep lose their way.
a flock of sheep are already far from the riverbank where they are.
shepherd fix his gaze on the thread of smoke which rose high in this cold cloudy sky.
his cigarette is close to finish, but he doesn’t realize where his 2 sheep are.
one of the lost sheep see somewhere, and suddenly notice that she and her child are the only existence in this world.
and back to her way again (late breakfast).

there is no sound.

sheepdogs are running around the flock.

a cigarette of the shepherd will be finished soon.

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log [ コラム ] — s_o @ 15. January, 2008

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祖父が死んだ。

一瞬、ふわっとゆがんだ気がしたけれど
涙はでなかった。

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最近、咳がとまらない。
近頃ドイツで流行ってるウイルスにやられたっぽい。

夕方、歯医者。
年末から何度も通って、
ようやく1本処置が終わる。
その神経は全て除去され
奥歯は今日、死ぬ。
ニンゲンの器官のなかで、唯一死骸のままカラダに残る事を許されてる歯。
舌で押してみると、まだなんもかもがそのままで
でも失われたテイでそこにあるんではなく
失われてしまったのだった。

失われてしまった歯と祖父が、
いつまでもカラダにぬるく刺さって
にぶく ぬくい。

日本に電話。
へんなカタチをした柔らかい棘が一粒、
受話器の小さい穴越しに、耳から脳味噌へ。
不意にアタマの上を覆う。
びりびり何かがほどけて
ちりちり眼前が歪む。

おじいちゃん、

声をあげて泣く。

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GATE_9

log [ コラム ] — s_o @ 05. September, 2007

entitle
しつこく呼び鈴を鳴らされたので、また隣のおっさんが金を借りにきたのかと思って無視していると
今度は鬼気迫るコブシの激しいノック。
以前、蹴り開けた経緯のあるドア。
(インキーしてもて、隣のおっさんと二人で次藤君抜きの「スカイラブ・ハリケーン」した)
ので、そんなにハードなノックはやめてほしい。
家の設備にまつわること、大家の壮絶な嫌がりっぷりを思い出す。
無視し続けてドア壊されて、あの生え抜きのドイツセレブに対峙すんの ごめんだ。

のっけから『金は貸さん』を前面に打ち出した表情と態度で、ふてぶてしくドアを開く。

と そこには警察。
なにやらボーイスカウトみたいな格好をした何がしかのスペシャリスト(イメージ)も横に立っていた。

不意な警察の登場に動揺して、いらん疑いをかけられぬよう
『ドアそんなに激しくノックしたら壊れるじゃないですか。何か用ですか?』 とクールに聴こうとすると
クールにしようとしすぎて
『は?』
完全に友達から煙草1本くれと頼まれたときのテンションで第一声を発する。
まずい。
“ビザまだきれてへんよな、音だって今日はまだ爆音鳴らしてないし、あー昨日遅くに風呂はいったのがまずかったんかな、それか魚焼いた匂いか? や、魚焼いてねーよ、つーかそのスペシャリスト(イメージ)なんだよ、あ!もしかして外人だから派手にテロ的な容疑かけられてんのかなそういえばそうかあれかあれってなんだよ全然テロれてねえよむしろ将来の展望のほうが爆発物だよ”
若干の脳内チキチキ私の清廉潔白会議を開催していると
警察は一枚の紙を突き出した。
『○○という男を知らないか?』
事務的な態度で警察は口を開く。
「知りませんけど。」
『ん。じゃあいい。』
、、、。
はやい。
なんか外人だから聴くのすらめんどくさくなったか。
なんか全く関係ないところでカチンとくる。
かまってほしくないけど、かまってもらえないとそれはそれで。
「なんかあったんですか? その男は誰ですか? そして、なぜ僕のところに? しかもなにそのヒステリックなノック。つか、できれば英語で説明してください。」
『いや、なんでもない。(ドイツ語)』
「なんでもないって。 僕んとこ来たのは、この建物でなんかあったからですか?」
『んーまあそうだけど、この男のことを知らなければいい。』
第一声”知らん”て言うことがそれほど信頼されるなら、警察なんていらんじゃないか。
なんか疑われてるんなら、晴らしときたい。
そんなにキレイな体やないけど、もっとあたいを見て。
幸か不幸か、一瞬で疑い的なものはなくなったっぽいというかそもそもハナから疑いでさえないっぽい。
むしろ英語で説明しろ、と言われたこと含め、非常にめんどくさがられているっぽい。
なんか腹立ってきた。
むしろコロンボみたく『あーそうそう、それでね奥さん。』と帰り際にボロを出させる気じゃあるまいか、
と少し期待したものの、あっさり隣の部屋をガンガンノックし始めた。
あー、でてきちゃダメだ、おっさん。
でてこないけど。どうせ。金借りる時以外。
向こう側からだけやない。
胸躍る緊張感や驚きも、外国であるがゆえに一瞬で完了する理解。
ただ、かつてこうして完了する理解は、その終止たる形なす前に孤独に抹消されていた時代があったのだ。
いやいや。
あった、んやない。
纏う匂いこそ違えど
それはこうして今、ここにも。
いつまでも。
そしてそれは決して、ここだから、でもないのだ。
ドアを閉めた後も、隣のベルを鳴らし続ける音が壁越しに聴こえてくる。
やっぱ、おっさん出ねえな。
面倒回避のベテラン。(むしろおっさん自身が面倒。)

カトルフィッシュと世界の終わり

log [ コラム ] — s_o @ 19. May, 2007

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11th - 13th May 2007
オランダ・ゼーラント スタジオにて
月末のレコーディング準備の合間、
オノウチ君が唐突に世界の終わりの話を始める。

『テレビで見たんだけど、サトシ君、世界の終わりて何が生き残るか知ってる?』
「知ってる人なんて世界の終わりまでおらんでしょう。」
『いやまあそうなんだけどさ。”イカ”らしいよ。最終的に。』
「、、イカ? あのイカリングの?」
『うん、そうそう。 ドシーン、ドシーン、てね。』
「ドシーンドシーンて。 何の音よ。」
『足だよ、足。イカの10本足。』
「えー、、説明も無しに巨大化されても、、、 」
『マンモスみたいになるんだってよ。』
「マンモスみたいに。」
『ちっちゃいのもいるんだけどね。』
「あ、普通のもいるんだ。」
『やられちゃうけどね。でっかいのに。戦うけどやられちゃう。』
「戦うってどうやって? イカスミ?」
『いや、石。』
「石?」
『10本足で石を絡めて、空から石を落とすんだよ。』
「また説明もなしに飛んだ! イカだけでなく話そのものが!」
『フワーーっとね。』
「フワーーっとじゃないよ。イッタンモメンかよ。」
『まあちょっと前まで蜘蛛(クモ)が頑張ってたんだけどね。』
「世界の終わりのちょっと前、、、全体的にフワフワしてるな。物事の流れが。」
『でもクモが滅ぶまでイカは海で隠れてるんだよね。虎視眈々とその座を狙ってる。』
「いや、マンモスサイズで空飛べればもう勝てると思うよ。しかも、既に”隠れる”という考え方に失礼なくらいの存在感だよそのイカ。」
『んー。おそるべしだよね。イカ。』


地平線は遠く、突然強い風が吹いた。
ベンチを運び、リンゴの樹の下へ。
葉々を騒がす風ん中、
世界の終わりに空を飛ぶ巨大なイカのことを考える。
むやみにカサバるイカの姿とは裏腹に、
なぜだかそこはとても静かだった。

AMERIGO ARCHIVE

log [ コラム ] — s_o @ 16. November, 2006

27th Oct
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Londonでトランジット。Los Angelsへ。

28th Oct
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28th Oct _ SantaMonica, California, United States
サンタモニカ。

晩は、宮本貞雄*さんと会う。
(* 『科学忍者隊ガッチャマン』の作画監督で知られるアニメーター。それ以前の作品に虫プロの『リボンの騎士』や『千夜一夜物語』など。)
手塚治虫氏との仕事から、竜の子プロ、こないだまで重要なポストにいらしたディズニーの話。
氏が描かれたガッチャマンの原画を見て、デジャウ゛ュ。
「あ。 僕これ、まんまの画がプリントされた自転車乗ってました。子供の頃。」
あ、そう。と言って氏は、ご自身の彫刻刀コレクションと武道の話を続けられた。

29th Oct
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29th Oct _ Malibu beach, California, United States
マリブ・ビーチ。

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Photographerの、Laura Menz女史と会う。
アトリエを兼ねた同じく有名な写真家であるパートナーとのお宅に伺う。 ->Link
アタマよくない感じで『海辺のお家』について語る時のそれ。
全面ガラスの向こうには太平洋。
バルコンからプライベートビーチ。
『ほら、あれ』と指差された向こう、太陽の梺でイルカの群れがジャンプ。
ここんちの子になりたい。
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燦々と太陽の降り注ぐリビングにネッコロがる、マフィン大好きなシュロモ(犬)。
近所の古着屋の犬(過去ログ写真参照)がシュロモの兄弟だということを知って、
なにを考えるでもなく色んな括り方に想いをはせる。

30th Oct
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30th Oct _ Los Angels, California ::: Las Vegas, Nevada, United States
ロスからラスベガスへ移動。
一面砂漠。
映画”GERRY” Arvo Paertのピアノを彷彿とさせるランドスケープ具合。
遭難したり殺し合ったりはやだけど
やったことない体はいつも求め続ける。
やったことない体。
やったことないからだ。

31th Oct
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31th Oct _ Las Vegas, Nevada, United States
ラスベガス。
なにもかもから漂う、指でつっつくとそれとなくなくなってしまいそうな気配。
すべてから臭う、圧倒的で軽薄且つ音まみれの名前。
ゆうて自分かて大概なくせに それとなく息は詰まる。
贅沢で傲慢、身勝手。
街に向けた気持ちなのか、それとも。
振り返ると、にやりと笑うわなくなるわ。
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1st Nov
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1st Nov _ Las Vegas, Nevada, United States
ラスベガスからロスに戻る。
砂漠アゲイン。

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Melrose Av. - Los Angels, California, United States
ロスのMelrose Av.の古着屋に入り浸る。

2nd Nov
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2nd Nov _ Pasadena - Los Angels, California, United States
プロダクト・デザイン/グラフィックデザインの名門、Art Centerの教授であるリム氏に会う。

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2nd Nov _ Hollywood, California, United States
午後はビバリーヒルズを越え、ひなびた熱海みたいなHollywoodの街道を散歩、例の看板を眺めて
再びMelrose Av.の古着屋に入り浸る。

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Melrose Av. - Los Angels, California, United States
Head Shopのおっさんと仲良くなって、サックス奏者だという彼のデジリドゥを聴かせてもらう。
ディジュはヘタッピだったけど、ごちそうしてくれたコーヒーが滅法うまい。

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Melrose Av. - Los Angels, California, United States
メールが受信できるスポットを探して再びカフェに入るものの、小銭がなくて無銭飲食。
ノープラーブレーム。笑った黒人の金歯が冴える。
図太い猿を気取って、無銭飲食なのに閉店間際まで超長居をする。
金歯が曇る。

3rd Nov
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3rd Nov _ Düsseldorf, Germany
デュッセルに戻る。
旅行中にも夏時間が終わり、時差も手伝って『今何時?』の意味について考察。
考察、というか爆睡。

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log [ コラム ] — s_o @ 25. October, 2006

さっきまで手にしてたものの名前をコンマで忘れて大枠も詳細もてんで思い出せないので
永遠にどっかに屠(ほふ)られる記憶にマーキング。
ばかでかい思いも、瑣末な大事も
こんなに目の前で具体的に胃が痛くなるのに
まったく冴えない感じですっかりなかったことになる。
ばっちりなかってめっきりがっかりしてすっかりまったり。

6th Oct 06
schauspielhaus_robby
チケットを手配してもらって初オペラ。
sub-tle.相方オノウチ氏と観劇。
演目はシェイクスピア四大悲劇、『othello』。
20年前に体育館で観た『リア王』でえらいことになったので、
殺される前の緊張と茫漠とした不安、それに甚大な期待。
ただ自宅から徒歩5分の立地で敷居の高さが曖昧。
シナリオは前の晩に片っ端から読んだ。
シナリオを前の晩に片っ端から読んだ がなかったことになるくらい素晴らしくスピーディーなドイツ語。
『え?今なんて?』 にすら カスらない壮絶な置いてかれっぷり。
置いてかれたのは、置きっぱなしだったから。
だいぶ反省したものの
なまあたたかい安堵。
ただ、くやしい。

12th Oct 06
サヴトレアトリエにて、ベルギーの映像ディレクター Luc Percival氏によるドキュメント撮影。
『なんでか』を問われるのは
『問う』主体が見えなさすぎてうだうだな。

15th Oct 06
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LIGHTBENCH
日本から遊びにきた十年来の友人である美容師中嶋さんに髪を切ってもらう。
公園で切っていると、あっちゅうまに日が暮れたので
通称『光のベンチ』で残りを散髪。
蛍光灯のチュ−ブが背中に残す温度。
冬が始まる。

16th Oct 06
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MALKASTENにて、NikolaiやKathleenらと夜中まで話し込む。
SchauspielhausのディレクターThomasと道すがら会って、彼も合流。
Nikolaiは sub-tle. の音源にひどく感動してくれて
そのことにえらく感動する。
なんかいい夜。
軽く吐き気もよおすくらい、わかりやすい。

17th Oct 06
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miuのプローベ。
ウーハーの位置が悪いのか、広すぎる空間と右手の布で仕切られたスペースが悪いのか
客席の位置によってだいぶ印象が変わる。
あれこれ相談しながら、静かに踊るダンサーたちの息づかいの中、うろちょろ音調整。
踊り手たちにつけられたワイヤレスのコンタクトマイクにmiuが残響とエフェクトをかけると
皆テンションあがる。
『本当』はこんなにもシンプルだ。
わからん。

19th Oct 06
::: 16:00-
クラウス・BBCインタビュー。サウ゛トレアトリエにて。
普段、近すぎて聴けないクラウスの歴史やなんや。
武者震い。
::: 20:00-
miuが音響を務める、Ben.J.Rippeのパフォーマンス本番。
全体の音響・空間感はかなり改善されているものの
リハんときにAUXに出してたチャンネルを全く使わないmiu。
公演終了後、「なんやねん」突っ込むと
舞台監督に公演15分前に『おれディレイとか嫌い。』言われたらしい。
miuはなぜかそこいら中を裸足で歩き回ってて、
その真摯さがすこし 心に響く。
::: 23:00-
Luc Percival撮影の試写会。
思ったよりも人が集まってて ひく。
会場にはなぜか鍋にわかされた大量の緑茶と日本のビール。
映像のクオリティは高いものの、ドイツ語がわからないのと
作品からしみ出す匂いに、ちょっと尻の居座りの悪い感じ。
監督との問答に参加するも、まま肌に触れ得ない。
漠然とした脆さとかを、頭の中で動物や至極テケトウなものに転写するあの作業。

24th Oct 06
::: 7:30-
ジョンみたく国境について3コードで世界に語りかけたい(そうか?)けれど
とてもあれなうえ あんま誰にも聴いてもらえなさそうなので
ビザ更新。
色々突っ込まれる中に写真の顔のバランスについての言及があったので
『わかった!そっこう撮り直してくるわ!』
畳み掛けて他の問題に後ろ足でフタ。
天網恢々粗にして漏らさずに
独房で間違って監視装置にカメラ目線になったうっかり囚が如き素晴らしき表情。
完全に目がロンパっとる。
しかも今年からビザに写真が挿入される。
何故か微妙に平体かかって、よく見ると中川家の弟に酷似。
「セルシオやぞ。」
隣の子供にからみながら、4度目のアーティストビザ取得。
::: 16:00-
アトリエで音問題発生。
クラウスとのレコーディングがペンディングに。
シーソーみたく、きれいにオポジットな様々。

a superficial explanation

log [ コラム ] — s_o @ 16. October, 2006

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そうして彼女は刻まれた。

こそぎ落とされた上腕と顎を見て、
彼女は通り一遍の愛想笑いみたいな絶望に打ちひしがれた。

『ぅぁーこれめっちゃもと戻らへんやん、ゆうて今思たやろ自分。
なんやろ。5分前何してたやろ。なんでこんなことになったんやろ。て。
なあ。
戻りたい?
これ戻せるくらいの希望て、いやそもそもそれ的なもんを抱く抱かない、ゆうことすら考えたことあれへん?』

男は悪意のない錆びついた目で、明るくハキハキと大きな声でそう言った。
あんまり声がデカくて滑舌がよかったので、痛みで閉じていた目を開けると
女の体は元通りになっていた。
別にそんなもん5分前には夢でもなんでもなかったが、
概ね何やら叶えてくれた感が満載であったので 女は男を愛した。
だからいつまでも愛していた。
二人はいつも互いを愛したし、慈しんでいた。
こそぎ落とされた上腕含む全ては、依然としてそこにあったけれど
それにさっきからそこいら中でなんか垂れてきていて とてもきたないし、臭うのだけれど
全てが『現在』を揺るがす動機に欠けすぎた。
平たく、伝わらなく言えば、まま関係あれへんのだった。

とても待ち遠しかったある日
空がとても遠かった。
生きとし生けるものを中途半端に孤独にしたその夕焼けが
とても美しかった。

愛してる、と女が呟くと
男は そう、と微笑んだ。

二人の影は、長く長く伸びて
皆がかえってきた。

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